英検最新事情 大学入試の”最強”のパスポートに

大学入試の英語科目に代わる試験として,英検をはじめとする英語外部検定試験が注目されています。この記事では,大学入試における英検の「いま」と「これから」について見ていきましょう。 もくじ1 いま,大学入試において英検はどの […]

公開日 2018.02.18
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英検最新事情 大学入試の”最強”のパスポートに

大学入試の英語科目に代わる試験として,英検をはじめとする英語外部検定試験が注目されています。この記事では,大学入試における英検の「いま」と「これから」について見ていきましょう。

いま,大学入試において英検はどのように利用されているのか?

推薦・AO入試と英検

推薦・AO入試においては,英検は以前から広く利用されてきました。近年では,TOEIC,TOEFLなどその他の検定試験も採用されるようになりましたが,英検はこれまでずっと採用率トップを誇っています。

「旺文社 教育情報センター」の調査によると,2018年度入試では日本国内の全762大学中335大学,44%の大学が推薦・AO入試で英語外部検定試験を利用しました。その中で英検の採用率は,最も高い97%でした。

※「旺文社 教育情報センター」のウェブサイトに掲載されたグラフを参考に作成

一般入試と英検

さらに「旺文社 教育情報センター」の調査によると,2018年度の一般入試においては,英語外部検定試験は全762大学中152大学,19.9%の大学で利用されました。前年と比べて42大学増加しており,着実に利用が拡大しています。

※「旺文社 教育情報センター」のウェブサイトに掲載されたグラフを参考に作成

一般入試でも最も採用率が高いのは英検で,2018年度の採用率は94.4%でした。一般入試においても,英語外部検定試験の利用はもはや珍しいものではなくなってきていますが,英検は,推薦・AO入試と同様に一般入試でも,これまでずっと採用率トップなのです。

これから,大学入試において英検はどのように利用されていくのか?

2017年12月22日,「日本英語検定協会」は,英検をはじめとする各種試験を,大学入学共通テストにおける「大学入試英語成績提供システム」に参加申込したことを発表しました。大学入試センターは,センター試験に代わる大学入学共通テストで利用可能な英語外部検定試験の参加申請を受け付けていました。

「大学入試英語成績提供システム」には参加要件があり,「1回の試験で4技能すべてを測ることができること」や,「高校等の教員は,自校の生徒が受ける検定の監督・採点に関わってはいけないこと」などが求められていたため,英検は高校3年生を対象に,「1日完結型」や「公開会場実施」などを導入して対応することも発表しています。

「大学入試英語成績提供システム」参加に伴う英検の対応

方式 概要
従来型 ●対象制限なし。従来どおりリーディング・リスニング・ライティングは筆記試験,スピーキングは対面式(面接)。
●一次試験合格者が二次試験の面接を受験。
●約400の本会場に加えて離島や遠隔地には,実施責任者・教室監督責任者を派遣し特別準会場として実施する。
●対象級は1級・準1級・2級・準2級・3級(すでに実施)。
1日完結型 ●対象は高校3年生のみ(大学入学共通テストを利用する浪人生なども含む)。リーディング・リスニング・ライティングは筆記試験,スピーキングは録音式のコンピューター試験。
●一次試験の合否にかかわらず4技能を1日で実施する。
●会場は47都道府県に配置,会場数は順次拡大予定。
●対象級は準1級・2級・準2級・3級(2019年度から実施予定)。
公開会場実施 ●対象は高校3年生のみ(同上)。リーディング・リスニング・ライティングは筆記試験,スピーキングは対面式(面接)。
●一次試験の合否にかかわらず4技能を2日で実施する(一次試験の合否に関わらず二次試験に進むイメージ)。
●従来型(既存)の公開会場および特別準会場にて受験する。
●対象級は1級・準1級・2級・準2級・3級(2019年度から実施予定)。
4技能CBT ●対象制限なし。リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングすべてコンピューター試験(スピーキングは録音式)。
●一次試験の合否にかかわらず4技能を1日で実施する。
●会場数は19ヶ所,今後,順次拡大予定。
●対象級は2級,準2級,3級(来年度2018年度8月から実施予定)。

※「日本英語検定協会」のウェブサイトに掲載された表を参考に作成
※上述の内容については変更の可能性あり

大学入試センターは,2018年3月26日,参加申請された英語外部検定試験が要件を満たしているか否かの確認結果を公表しました。それによると,英検は「1日完結型」「公開会場実施」「4技能CBT」の3方式において要件を満たしていると確認されました。

なお,「従来型」は「1回の試験で4技能すべてを測ることができること」という要件を満たしていないとされました。しかし,すでに述べた通り,これまでの大学入試で最も採用率が高い検定試験は英検の「従来型」であり,大学入学共通テスト以外の大学入試においては,これからもさらに広く利用されていくことが予想されます。「日本英語検定協会」は,「従来型」は今後も改善を進めながら継続して実施・運営していくと述べています。

大学入試において英検は“最強”のパスポートになる!

2017年11月,国立大学協会は,一般入試では大学入学共通テストの英語試験と前述の大学入試センターが認定する英語外部検定試験の双方を課すという「基本方針」を公表しました。また12月には,公立大学協会がそれら双方の試験を利用することが望ましいという「考え方」を公表しています。これらの「基本方針」や「考え方」は,私立大学の動向にも影響を与えると考えられます。

そして2024年度以降,センター試験の代わりとなる英語科目は,認定された英語外部検定試験に全面移行される予定です。したがって,英検はこれからの大学入試において,「“最強”のパスポート」になる可能性が高いのです。

大学入試と英検の今後の動向に,みなさんもぜひ注目してください!

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